悲鳴

お話

それは時雨のように、どちらともなくふらふらとおぼつかない気持であった。

涼しいと寒いの間でさまよう鳥肌の、迷った挙句にぞわぞわと、身震いにもならぬ震えに、どうにもならぬ煮え切らなさをたたえて、少年はそこから意識を逃れたいかのように虚空を見つめていた。

しかし逃れようとすればするほど、いっそ篠突く雨であれと、心が悲鳴をあげるのだ。

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