空は何故青く、夕焼けは何故赤いのか。
それを知って、見上げる空は変わらず美しかった。
その美しい色の理由を科学的に理解しても、それでもなお幻想的に見えた。
初夏、梅雨の真っ只中の時期にふと訪れるさわやかな昼下がり、田んぼにはまだ水がなみなみと張られていて、空の色を映し出している。
1か月ほど前に植えられた苗は、分けつ盛期を間近にして明るい緑の色どり良く、まだ穂をはらまない柔らかな葉先が風邪に揺られて気持ちが良さそうだ。
田んぼ脇の水路から田んぼにちゃぷちゃぷと流れ出る水の音が、心地いい。
夜にはカエルの合唱の舞台となり、水の音は合唱を支える裏方役へとまわる。
そんな水の音は川のすぐそばで育った僕には、生きるリズムを思い出させてくれる。
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