失敗をした。
いや、分かっていた。
諦めたことを僕は知っている。
どうにかできただろう、どうにかしてしまって、何もない事の方が僕にはつまらなかったのだ。
ひどく自分をしょうがない奴だと思った。
迷惑をかけた。迷惑をかけて申し訳ないという態度はお手の物だ。
人は優しい。いや、優しいわけではなく、人を壊すことを恐れているのかもしれない。
僕という人間があまりに弱弱しく見えるのだ、的外れで要領を得ないのであるが、それでも甲斐甲斐しくコロコロとよく動き、目には意思なく、淡々とただ事を進めるような働き方に、そこに指摘注意といった異物を混入することで、動きが良くなるよりも、動き自体が止まってしまいそうな、機構部分がむき出しの、繊細でいてぎこちない、偶然生まれたガラクタのからくり機械のように見えているに違いない。
かくして、僕は許された。
わざとだろうとか、分かっていてやったんだろうと、言っても現状が進みはしない言葉をわざわざ僕に投げつけるものはなく、そうすると僕はいよいよ情熱やら展望やらを聞かずじまいなのかもしれない。
それは安心だ。もういつ死んだってかまわない。
僕はいよいよ僕に成り代わり、僕がいつ死んだかも分からない。
虚言を吐いては空見上げ、事実を述べては地に伏せる。
八方ふさがり。
人は地球を出なければならない。
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