土曜の通勤電車は快適だ。
平日より人が少ないから、3人分のスペースを1人で使える。
朝の空には底が黒く沈んだ厚い雲が垂れ込めていたが、電車を降りる頃にはまばゆい陽光が閑散とした街を照らし出していた。
気温はもう少し低ければ身震いするくらいで、歩いていれば不快感があるほどではない。
仕事は相変わらず要望に応えうるに至らないまでも、良心の呵責に苛まれるような働き方はしていないことを自らに問うて及第点を得た。
仕事終わりの一杯。
それを味わったことがないことに気付き、京都駅まで足を運んで牛カツとともにビールを頂いた。
一日中座ってパソコンとにらめっこしている仕事でなく、あくせく動き回る仕事であれば、絵にかいたようなのどごしの一口を嗜めたかもしれない。
いや、美味かったのは美味かった。
アルコールはともかく、ビールは嫌いではないのだ。
確かにシュワッと弾けるのどごしというやつに会社で鬱積したモノが霧散していくような気がした。
これが習慣化して週末の仕事終わりに一杯。その心地を待ちきれずに水曜日にも。
もう家でやればいいではないかと思いついて、家で毎日晩酌となるのも無理はないかもしれないと思った。
美味いもん食って、ほろ酔いで散策する書店はどれもが面白い本に見えた。
それは素面の時もそうだった。
人は酔うと判断力が鈍り、気が大きくなるという。
それで、3冊も新しく本を購入してしまったのだ。すべては酒のせい。
さて、一人の時間はここまで。
家に帰ったら、キャラが迷走した私が爆誕した。
久しぶりにまともに人と会話するのは、金属の形状ばかり考えている頭には難しかったみたいだ。
しかし、僕は強かった。ストロング・ボクである。
どんな流れでこの言葉を発したか忘れたが、私は「ストロング・ボク」で一笑い稼いだ。
もしかしたら、人生で一番輝いていたかもしれない。これは記録に値する。
さて、話に困ったとき、何も自分の頭の中だけを頼りにする必要はない。
ムーミンキャラクター大図鑑はこういう時の為に買ったのだ。
それにムーミン診断というものがある。これは、偉大なるムーミンママが教えてくれた。
この2大ツールの相乗効果により、ずいぶんと間が持った。
いや、すべてはムーミンママの韋駄天的人徳のなせる技だったのかもしれない。
ともあれ、私は私が幸せであることを知った。知っていた。
そんなことを言うと岡本太郎にどやされるだろう。
今日は久々に記録らしい記録が書けたのではないだろうか。
その理由は3つ。
明日が休みでわりと気分的に余裕を持っていること。
初めての行動、経験をしたこと。
人と会話をしたこと。
だと思う。
これらを参考にこれから、より記録に値する実りある時間を過ごしたいと思う。
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