仕事からの帰り道。
電車の中、疲れた顔でちょっとエッチな漫画を読んでいたら、降りる駅を乗り過ごした。
初めて降りる駅は電気のついていない個人営業の電化製品店がいくつか立ち並んだような所で、少し見上げると、カラフルな電飾がその地名を唄っていた。
近くに居酒屋があるようには見えなかったけれど、アルコールが入った大人が数人、いささか大きすぎるボリュームで駅に向かって歩いてきた。
露出の多い女の人が険しい表情でスマホの画面をのぞいている。
手をつないだカップルがゆったりとした足取りで歩を揃えて歩いている。
反対側のホームに向かう途中でそれらの人々を見ながら、いつもと違う街並みを楽しんだ。
夜の景色は昼の景色よりも記憶に残る。
来てよかったと思った。いつもと違う場所の雰囲気を感じる事で、新鮮な気分を味わえる。
ちょいエロ漫画が僕をここに運んできたと思うと少しおかしかった。
家まで遠回りしてしまったけれど、その駅からの帰り道の足は少し軽くなっていた。
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