世界は神が創ったと言われ、それを真に受ける現代人はもはや絶滅危惧種であろう。
しかし、はるか昔。
といっても、たった2600年前ではあるが、ほとんどの人間がそういった話を信じ、同じように寝て食べて生活を営んでいたらしい。
どのようにして、神話が神話という単なる面白い物語と認識されるようになり、科学が正しいと思い込むようになり、地球上の人々と連絡が取れるような時代になったのか。
その流れを知りたい。感じたい。
それが純粋な関心事だ。
すごい物理学講義の著者、カルロ・ロヴェッリはそんな世界像を人々に浸透させた功績の一つとして物理学を掲げ、この書物の始めに語っている。
神話という物語を真実と信じていた時代に、世界の認識について異を唱え、現代における知の始まりとなった場所、そして人物達。
今日の私たちの世界に積み上げられた途方に暮れるほどにあふれた英知の始まり。
想像してみれば、その価値を認めざるを得なく、物語を信仰するわけにはいかなくなる。
物語より科学を信じ、関心をもつべきだと頭に警鐘がなる。
しかし、物語がなくなることは無い。
この不可思議さをもって、まだまだ、人類には知らない事があるともいえる。
科学的根拠から、発展してきた事実は認めつつ、それでも私は空想、物語を愛そう。
愛するとは、読み、体験し、そこからあらゆる感情を見出し楽しむことだ。
現代人は大変だ。そして、恵まれている。
その構図はいつまで続くのだろうか。
終わりの日はもしかしたら近いのかもしれない。
始まってもいないのかもしれない。
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