視覚器

知識

人には目、鼻、耳、触覚など、様々な感覚器官が備わっている。

その中でも視覚器は、世界を認識する上で特に重要な器官だ。

人は何かを信じるか信じないかを判断するときに、まずは自分が見たかどうかを考えると思う。

外で雨が降っているような音が聞こえても、雨が降っていることを確認する為に外を見る。

壁の向こう側は見えないし、見えなければ知りようがないと考える。

言うまでも無く、「見える」という事は私たちにとってとても重要な事だ。

そして、見ているのは「光」であることを疑う人はあまりいないと思う。

「光」の無い暗闇では「見えない」からだ。

ではその「光とは何か」については、「視覚器について→光について」で簡単に述べた。

私たちが見ている光とは「可視光」と分類される、電磁波であった。

可視光は私たち人間には、波長が短くなればなるほど、赤色から緑色、黄を色を経て徐々に青く見えるようになっている。

前置きがとても長くなったが、そこで次に私が興味を持ったのが、それを感知する目である。

そこで図録から知ったことを記録する。

さすが図録だけあって各部詳細の名称もびっしり書いてある。

正直、全部を写経したいが、自分の言葉で解釈するのが目的である。

目について、まず外観の見える所からいこう。

白目の部分は「強膜」といい、瞳の中心の真っ黒いのが「瞳孔」、その周りの色の変わっている部分が「虹彩」というらしい。

「虹彩」より外側に「前眼房」と呼ばれる部分があり、「角膜」に覆われている。

これが外から「見える」部分である。

この中で「見る」ということに関して、大きな働きをしているのが「虹彩」だ。

光はこの奥にある「水晶体」というレンズと「ガラス体」を通り、「網膜」に届き、膜中の視細胞に反応を及ぼすらしいが、ここで虹彩がしているのは、光の入ってくる量の調整だ。

明るいところと暗いところで瞳孔の大きさが変わるのはその為である。意識とは切り離されたオート機能だ。

「網膜」は「視細胞」と「視神経」が並んだ膜であり、視神経には明暗の区別をする「桿体細胞」と色の区別をする「錐体細胞」がある。

明暗と色の区別はそれぞれ異なる細胞が担っている。

この2つの視細胞の分布にも特徴があり、視軸と網膜のぶつかる所の直径2mmの部分は「黄斑」と呼ばれ、錐体細胞が多く分布しており、ここに結ばれる像の色や形は特にはっきりと感じ取ることが出来る。

そして、黄斑を谷のようにして桿体細胞が広く分布している。

おもしろいのが、「盲班」。知っている人は多いと思うが、人間の目には見えない範囲があるのだ。

さっき、網膜に届く光(結ばれる像)を視細胞が感じ取ると書いたが、この視細胞が全くない範囲があるのだ。そこは、視細胞ではなく視神経線維の束が網膜を貫いている。ここに届く光は感じ取ることが出来ないのである。

なるほどという感じ、面白い。

ちなみに錐体細胞にはどの波長を吸収するかの違いがあり、赤、緑、青の三種類があるらしい。

よくできてる。

また、急に暗いところから明るい所に出た時や、逆に明るい所から暗い所に入ったときにおこる反応を「明順応」と「暗順応」と言うが、これは化学分野だ。

明暗順応には、視細胞である桿体細胞中にあるロドプシンという赤い色素タンパク質で視紅とも呼ばれている。ロドプシンはオプシンというタンパク質と、ビタミンAであるレチナールとの複合体であり、光が作用することでこの構造が変化する。

光が当たるとレチナールの構造が変化し、複合体であったロドプシンがオプシンとレチナールに分解する。すると桿体細胞が興奮し、感度が下がることで、色を区別する錐体細胞が働くようになる。これが、明順応。

逆に暗いところでは、またレチナールの構造が変化することで、ロドプシンが増加し、桿体細胞の感度が高くなる。よって、暗順応することになる。

ビタミンAが不足すると、鳥目になるということが意味を持って理解できた。

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