夜景を見るとホッとする。
夜景はいっとき心を奪うけれど、気力という優しいエネルギーを土産に持たせて返してくれる。
その優しさは日々の手ごたえの無さから来る不安を満たしてくれる。
夜景はなぜ美しいのだろう。
夜景とはなんなのだろう。
夜、月が無ければ大地を照らす自然の光源はほとんどない。
夜景は人によって生み出されたもの。
夜景あるところには街がある。
人々の生活から生まれるエネルギーが大地に飽和し、何もない自然に生み出されたのが、街であり、夜景。
それは目に見えているものだけじゃない、日々の失敗や、ためらいや、空回り。
認められない仕事、意味を感じない仕事、手ごたえ得られずつのる虚しさ。
何のためか分からぬ勉強、積み上げてこなかった無軌道な興味関心の移り変わり。
そんな時間や思いのエネルギーも大地にあまねく染みわたり、蓄積され、やっと世界が表れる。
昼間は目に見えるものが全てである気がしていけない。
見えないけれど、見えないからこそ、そこにある。
そんな夜景だから、美しい。
見えないすべての部分に贈られるエール。それが夜景がくれるエネルギー。
それは日々を一生懸命生きているすべての人に、贈られるべきもの。
みんな夜景を見に行こう。
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