人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが何事かをなすにはあまりに短い
山月記/中島敦
山月記のあまりにも有名な一節である。
あまりにも有名と言っておきながら、これを書く前に一度この言葉の出どころを調べなおしている。
そんなものだ。
僕は今、これと言って何かを成したいと思っているわけではない。
この文章も含め、書くという事が楽しく、自分の思考の羅列を見て喜んでいるだけの自意識の過剰な趣味をしているだけである。
数カ月前から、読書、何でもいいから書くということ、映画鑑賞、が人生においてやりたいことというレベルではっきりと感じられるようになってしまった。
しまった、と書いたのは、これが一概にいいこととは言えないからである。
しかし、自分にとってはこの人生で一番幸せだと思える時期なのかもしれない。
冒頭で引用した、有名な一文を思い出したのは、何事かを成すというところをやりたいことをやるに置き換えて、人生はあまりに短いと感じたからである。
読みたい本を読む時間は確保しているが、読みたい本全部は読めない。
これから見たいと思う全ての映画を見ることは出来ない。
僕が納得のいく何かを書けるかという思いは、曖昧過ぎて、ゴールが見えない。
今日の一日24時間を考えみると、一日に出来る量の少なさに焦りすら覚える。
しかし、焦りによって集中できなくなるほうが、あきらかにもったいない。
よって、時間の使い方は「今目の前にある、やると決めたことに集中し、楽しむ」ということに尽きる。
というわけで、書く楽しみはここまでにして、読書をしよう。
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