より良くなっていく感覚。
何もかもうまくいかない。自分はダメだ。
そう思う時は誰にでもある。
理想が高すぎたり、周りの期待に応えようと真面目すぎたり、欲が出て背伸びをし過ぎたり。
そういう時、頭に描いた世界と現実のギャップに落胆する。
向上心、野心という前向きな気持ちがあるということだから、一時的にそう思うことは問題ない。
ただ、この考えが常態化すると良くない。
なぜなら、行動をしなくなるからだ。
どうせやってもうまくいかない、どうせ自分には出来ない。
確かに落ち続けることに慣れてしまえば、上昇から下降に転じる不快な加速度を感じることはないから、その経験に比べれば安らかな心地でいられるような気になる。
しかし、その先に待つのは徐々に襲ってくるのは絶望的なまでの無力感と喪失感だ。
その蟻地獄に捉われたらなかなか這い出すことが出来ない。
あせらなくてもいい。けれど、自分にとって前や上だと思えることを諦めてはならない。
失敗を恐れるなと言われるのは行動を促すための常套句だが、失敗は成功の元というアフターケアも含めて使いたい。
終わりではない。次に生かす。自暴自棄にならなければ、そういう捉え方は出来るはずだ。
出来ない時は、腹が減ってるか、睡眠が足りないか、運動不足か、ウイルスにかかっている。食って休んで運動しろ。
落ち着いて、焦らず、次を考える。
人間の頭はアホで、すぐ忘れるが、期待しなければ案外覚えているものである。
何もかも忘れるなんてことも出来ないのが人間の頭なのである。
だから大事にしたいのは、より良くなっていくという感覚。
うまくいかないこともある。失敗することもある。辛い事も悲しい事もある。
年は取る。体は衰えていく。
しかし、それでも、より良くなっていくものがある。
その感覚だけは命綱のように、肌身離さず大事にするのだ。
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